おでんは「御田」のこと。
正式名称は「焼く田楽」に対して、「煮込み田楽」がおでんという感じですね。
おでんの作り方は、地方独特の作り方や、種が存在していて、決まっていない珍しい料理です。
我が家のおでんを確立してみるのもおもしろいかもしれません。
そんな時に基本的な下ごしらえだけ知っていると便利だと思いますよ。
おでんの種の種類
練りもの・魚
タコ
通常食べられているのは「真ダコ」ですが、おでんの種としては、丸ごと食べたられる「イイダコ」も人気が高いです。
タウリン・多価不飽和脂肪酸が含まれ、ビタミンB12が多く含まれてます。
イカボール
タウリンが旨み成分になって、おでん汁をおいしくしてくれます。
良質のタンパク質で、すり身にすることで消化も良いですね。
さつま揚げ
タンパク質が豊富。旨みが強い。消化しやすい。
地域によっていろいろな魚類が使わられるので、旨み成分が複雑になり、煮込むことによって旨みが出汁になり、おでんに欠かせない種のひとつです。
イカ巻き・ごぼう巻き
いわゆる「巻き物」と呼ばれるもので、さつま揚げの生地にイカやごぼう・エビを巻き込んで揚げたもの。
”イカ天”や”ごぼう天”と呼ばれることもありますよ。
つみれ
魚のすり身をつまんで湯に入れることから、”摘み入れ”から”つみれ”という名前になったといわれてます。
イワシ・アジなどの青魚で作られることが多くて、多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれますので、栄養満点のおでん種。
はんぺん
駿河の料理人、半平が作ったことから”はんぺん”になったとか。
高タンパク質で、低脂肪、すり身にすることで消化が良い。
やわらかく食べやすくて、良質の白身魚が原料のため、タンパク質が多く、脂質が少ない。
おでんになると水分を含み、やわらかくなります。
すじ(関東)
白身魚のすり身に軟骨を加えて棒状に形を作り、茹でたもの。
軟骨のコリコリとした歯触りが特徴で、西日本では知らない人も多いみたいです。
豆腐・麩(ふ)など
厚揚げ
木綿豆腐など水分の少ない豆腐を原料に油で揚げてあるため、タンパク質の含有量が多い。
ごま油などで揚げたものは、風味も良い。
揚げ豆腐本来の味わいを楽しみたいのであれば、おすすめで、人気の種のひとつ。
油揚げ
油揚げの中に具材を詰めたもの。
福袋と称して、油揚げの中に餅やけんちん種(豆腐とにんじん、キクラゲ、銀杏などの精進料理で使う具材)を入れ、かんぴょうなどで袋状の部分を結んだもの。
オリジナルの巾着をつくってみるのは、いかがでしょう?
がんもどき
豆腐をつぶし、具材を加えて揚げたもの。
関西での呼び名は「ヒロウス」。
野菜の食物繊維、ミネラル、カロテンのほか、豆腐のタンパク質が含まれていて、栄養価の高い食品です。
ちくわぶ
中力粉と水、塩をこねて作る。
関東発祥の種で、煮込むほどおでん汁を含んで旨みが増します。
うどんと同じ成分なので、ほとんどがでんぷん質になる。
もちっとした口あたりを生み、クタクタに煮たものを好む人が多いようです。
生麩(ナマフ)
小麦粉のグルテンというタンパク質のみでできている。
煮込んですぐにおでん汁の旨みを吸収するので、長く煮込まない方が良いですよ。
豆腐
おでんの元祖は豆腐の串焼きであったと言われている説もある。
煮込みおでんに入れるなら、煮くずれしにくい「焼き豆腐」がおすすめですね。
いも・こんにゃく類
じゃがいも
じゃがいもの中には加熱をしても壊れにくいビタミンCが含まれている。
旨みの元であるグルタミン酸やアスパラギン酸もほかのいも類に比べると多く含まれます。
里いも
いも類ではサツマイモのの半分のエネルギーで低エネルギーのいもである。
ぬめりは多糖類のガラクタンとタンパク質が結合し、これに食物繊維が加わった糖タンパクで、ムチンというものである。
ほくほくのお芋シリーズは欠かせないですね。
こんにゃく・しらたき(糸こんにゃく)
サトイモ科の植物である「コンニャク芋」の地下茎部分(コンニャク玉)を主原料にした食材です。
野菜・海藻類
大根
食物繊維が多く、低エネルギー。おでん汁をよく吸収し、おでんの中でも人気の種。
昆布
いい出汁がでるおでんの名脇役。昆布はグルタミン酸を含み、魚介の旨みや野菜に含まれる旨み成分を引き出し、塩分を控えめにしてもおいしいおでん出汁ができる。
カルシウム、マグネシウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルが多く含まれている。
ロールキャベツ
もともとは西洋料理のロールキャベツだが、いつからかおでんの種になりました。
煮込んでも型くずれがしにくく、旨みの元となるグルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸も多く含む。
肉類
すじ(関西)
関西で「すじ」といえば、牛のすじ肉。
串さしにしてとろけそうに煮込んだものがおいしい。
玉子
ゆで卵をあらかじめ作って、殻をむき、おでん汁に入れておくと玉子の黄身にまで出汁が浸透しておいしくなる。
完全たんぱくと言われるほどのアミノ酸の構成が良質で、体を構成する筋肉や組織の材料になる。
ばくだん
半分に切った時がきれいなので、華やかな盛り付けをしたい時におすすめです。
鶏ミートボール
鶏ひき肉は、ロールキャベツの中身に使われてたり、ミートボールとして使われる。
つくね状にしておでんのたねに使うことで、おでん汁に深みが出るので良い。
コロ・さえずり
関西特有のおでん種。”コロ”がクジラの皮の下の脂肪層から脂肪分を抜いて乾燥させたもの。
”さえずり”がクジラの舌を乾燥させたもので、脂身に肉質が点々と見える霜降りの逆状態。
どちらも希少品で高価な贅沢な一品になる。
おでん種の種類ごとの下ごしらえ
おでんの時は、厚さを2cmの輪切りにして、面取りをして、片面に十文字の切り込みを入れて下ごしらえをしてくださいね。
板こんにゃくは、両面に格子状の切れ目を入れ、食べやすい大きさに切りましょう。
玉子は固めに茹でて、皮をむきます。
○濃厚な「関東風」
出汁:10カップに対し、醤油:1/2カップ みりん:2/3カップ
○薄味の「関西風」
出汁:10カップに対し、 薄口醤油:1/3カップ 酒:大さじ1 砂糖:1/4カップ 塩:小さじ2
①出汁を昆布とカツオ節でしっかり作ります。出汁ガラの昆布は結んで煮込み、おでんのたねにしましょう。
②最初に入れるのは「牛すじ」とか骨つきのバラ肉とかでもいいです。
③お酒を加えて、しばらく中火で煮込みます。
④味付けは薄めがいいですね。
⑤ここで準備しておいたおでんのたねをお鍋に加えていきます。
汁が減ったら、出汁を加えますがもし出汁がない時はチキンブイヨンを薄めで使うのもいいですね。
入れる順番は、おでん出汁に煮えにくいもの、味がしみにくいものから入れます。
弱火でコトコト煮ます。強火でグラグラ煮ると煮くずれや、おでん汁がにごる原因にもなります。
鍋に蓋をするときは少しすき間をあけてくださいね。沸騰しやすく、失敗しやすくなりますので。
そして、ポイントが練りものを煮込むのは最後の15〜20分。煮込みすぎると出汁に旨みが出てしまい、おいしくなくなってしまいます。
はんぺんは食べる直前でいいぐらいです。
最後に揚げ物は油抜きの必要は基本ありませんが、気になる方は熱湯をサッとかけて、油抜きをして構いませんので、お好みで。
おいしいおでんができますように。